ダイヤモンドのハート&キューピッド
ダイヤモンドの「ハート&キューピッド」や、「ハート&アロー」というのを聞いたことがあると思います。
ダイヤモンドのカットがいいので、特殊なスコープで覗くと、左右上下対称のハートや矢の形が見えるのです。
ハートの形と矢の形から、「ハート&キューピッド」とか「ハート&アロー」と呼ばれています。
ハートはそのまま「ハート」の意味ですが、矢は英語で「アロー」です。
じゃあキューピッドは?となってしまいますが、キューピッドは相手の心を射止める「矢」を持っていますね。
その縁起のいい形状から、婚約指輪のダイヤモンドに多く使われているのも納得できます。
ハート&キューピッド
ハートと矢の形が、特殊なスコープ(ジェムスコープ)で確認できるのが、「ハート&キューピッド」といいますが、実は鑑定機関によって言い方が違うのをご存知でしょうか。
「ハート&キューピッド」で商標登録しているCGL(中央宝石研究所)、「H&A(ハート&アロー)」はGIA(米国宝石学会)、「華標(はなしるべ)」はAGT(AGTジェムラボラトリー)と、それぞれ言い方は違いますが、すべて同じことを示しています。
ハート&キューピッドを証明するのは、鑑定書や鑑定書のサブレポートやソーティングメモに記載されています。
CGL(中央宝石研究所)とAGT(AGTジェムラボラトリー)は、それぞれ鑑定して発行する鑑定書がありますが、その鑑定書のサブレポートがあります。
サブレポートには、ハート&キューピッドの画像がプリントされているので、特殊なスコープでダイヤモンドを見なくても、ハートの形と矢の形がひと目でわかります。
また、鑑定書のサブレポートがなくても、ソーティングメモでも確認できます。
GIA(米国宝石学会)が鑑定して発行する鑑定書には、Inscriptionの項目に「H&A」と記載されているのがハート&アローの証です。
そして、ダイヤモンドのフチに、レーザーで刻印された鑑定書番号と一緒にH&Aの刻印もされています。
ですので、万が一、盗難に遭っても、照らし合わせることができます。
ハート&キューピッドが現れるダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットだけで見られるものです。
ラウンドブリリアントカットは58面あるのですが、すべての面が左右上下対称で正確にカットしていないと、ハート&キューピッドは現れません。
ダイヤモンドを特殊なスコープで下から見たときに現れるのが「ハート」で、上から見たときに現れるのが「矢」になります。
ですので、ダイヤモンドが裸石(ルース)の状態でないと見ることはできません。
カットグレードが最高とは限らない
ハート&キューピッドは、ダイヤモンドを正確にカットしていないと現れないのですが、カットグレードが最高の「Excellent」でなくてもハート&キューピッドは現れます。
例えば、ダイヤモンドの尖っている部分が長すぎたり、短すぎたりしてもハート&キューピッドは現れますし、ダイヤモンドが少し楕円であっても現れます。
ということは、カットグレードが「Very Good」や「Good」であってもハート&キューピッドが現れるのです。
ダイヤモンドの「Cut」とは、ダイヤモンドの形や仕上げの研磨のことを評価しているので、ハート&キューピッドとは別なのです。
まとめ
ハート&キューピッドが現れるダイヤモンドって、とっても素敵ですね!
婚約指輪に使われるのも、うなづけます。
でも価格が少し高いのがネックなんです。
それはハート&キューピッドが人気があるということと、鑑定書とサブレポートが付いているからなんです。
鑑定書が付いているだけで数万円高くなるので、しょうがないですね。
ダイヤモンドの輝きを一番と考えるなら、同じ価格でカットグレードが高いダイヤモンドを選ぶというのもいいでしょう。
ハート&キューピッドのダイヤモンドだからいい!と飛びつかないで、冷静に判断しましょう。
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